プロローグ
マナを利用する技術、魔法。
闇のエルグを利用する技術、錬金術。
では、呪術とは何を利用する技術なのだろう?
『古代魔法』を紐解くため、私たちはそれに一番近いであろう『呪術』を分析する必要がある。
呪術が見られる地域
イリア大陸・クルクレ地方のみ
<継承法>
弟子入りをした者に、エルケ滝にあるシャーマンの集落で伝授する。
魔法のように原理が公開されておらず、書籍も存在しない。
弟子への口伝でのみ継承される非常に閉鎖的な技術である。
では、呪術を継承しているシャーマンとは何者なのか?
シャーマン
クルクレ地方の部族は、古代イリニドからクルクレ地方を守護する使命を授かっている。
その中でも、エルケ滝の遺跡でクルクレの心臓を守護し、修行により呪術を体得していく事を許された人々をシャーマンという。
→ 以上から、呪術は古代イリニドに関係する技術と
考えられる。
呪術の特徴
マナを消費している様子がない
錬金結晶のような外部の媒体を消費している様子が無い
発動に際し、スタッフやシリンダーなどの補助媒体を使用しない
直接的な戦闘力ではなく、支援に特化している
→ 元素に依存しない、全く別の法則で成り立っている。
では、呪術の原理は何なのか?
既存のスキルで、元素に依存しないものの原理から推測する。
<元素依存でないスキル>(ミレシアンしか使えないものを除く)
・スタミナ消費のスキル全般 → 肉体の地力依存
・リストア → 気運依存
・魔法音楽 → 精霊の力依存
・ドルカ消費のスキル全般 → ドルカ依存
この中で、呪術の特徴と一致するものを探る。
・スタミナ消費のスキル全般 → 直接的な戦闘力にできるので✕
・リストア → ○
・魔法音楽 → 楽器を補助媒体にするので✕
・ドルカ消費のスキル全般 → チェーンブレイドを補助媒体にするので✕
数多あるスキルの中でも、気運という消費媒体が出てくるのはリストアだけ。
また、気運という用語を使うのはシャーマンのみである。
→ 呪術は気運によって成り立つものと考えられる
では、気運とは一体何なのだろうか?
気運の特徴
・一部の人しか使えない
・気運を利用した直後に魔法や錬金術を使用すると、生命力・マナ・スタミナが減少する
→ 魔法と錬金術に共通する特徴と相性が悪いもの
魔法と錬金術の共通点は?
魔法
マナを利用して目に見えない秩序に働きかけ、周囲の環境に変化を与えるあらゆる技術。
錬金術
四大元素を利用して、物質を変化させる技術。
→ どちらも、自身の周囲を変化させるもの
では、変化に一番影響されるものは何か?
物質に宿ったエルグ
エルグは宿った存在によって形や性質が異なるため、変化によって性質が丸ごと変化する。
また、エルグは物質から物質に移動させることができる。
特に、生命体に宿ったエルグは生命力という形をとる。
ここで、リストアの原理を確認する。
・自身の気運を操り、生命力やスタミナを回復する
・気運が乱れている時に魔法や錬金術を使用すると、気が散って悪影響を受ける
以上から、気運に関する考察をする。
エルグが移動できる性質を利用し、周囲からエルグを取り込んで生命力に変換する過程がリストア?
そのためには気運が必要で、リストア使用直後は体内の気運が乱れる。
その乱れた状態でエルグの変化が伴う行動をすると、悪影響がある。
→ つまり、気運=エルグを変換する能力だと思われる
結論:呪術とは、生命体が持つエルグを変換する能力を利用する
技術である
エピローグ
呪術は、パルホロンの魔法と同じ古代魔法である。
だが、その一部はシャーマン以外にも伝承されつつある。
シャーマンの封建的な体制も、イリニドの封印の消滅やウルラ大陸との交易の発展、外向的で影響力のあるシャーマンの出現により変化しつつある。
より詳細な研究ができる日は、そう遠くないだろう。
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