
概要
ケルト神話を扱う上で、切っても切れないものがあります。
それは、『樹木』です。
古代ケルトにおいて、樹木は信仰の対象でした。
エリンを表すシンボルは"三本の枝を持つ巨木"である事から、マビノギでも樹木は非常に重要なキーワードである事が伺えます。
今回は、古代ケルトの樹木信仰にまつわる特別な樹木と、それらに関係するNPCを整理していきましょう。
古代ケルトの樹木信仰

古代ケルト地域には、幅広くアニミズム的な樹木信仰が存在していました。
クリスマス・ツリーは、キリスト教化された樹木信仰の名残だという研究もあります。
また、ケルト神話の舞台であるウェールズやスコットランドで使用されていた文字である"オガム文字"には、それぞれの文字から始まる樹木の名前が付けられていた事が、碑石の調査により明らかになっています。
参考:The Celtic Tree of Life (Crann Bethadh): Meaning + History オガム文字 - Wikipedia 世界の文字 クリスマスツリーの歴史、由来、起源とは?3段階で解説してみた! | リベラルアーツ研究所

樹木信仰は古代ケルト文化の大きな特徴の一つであるため、現代のドルイドも様々な解釈で信仰を再現しようと試みています。
そもそも、『ドルイド』の意味が『オークの木を知る者』であるため、樹木信仰の追究は現代においてもドルイドの使命なのです。
その試みの中で誕生したのが、"ケルトの樹木暦"です。
ケルトの樹木暦とは?

月の運行を基準に、一年を十三ヶ月に分けた暦
この暦においては、28日×13カ月の364日で一年が巡ります。
それぞれの月には、樹木の名前があてがわれました。
古代の暦において13月まである事は珍しくありませんよね。
日本の旧暦も、閏月を設けて13カ月にする事で太陰暦と太陽暦の期間を調節していましたから。
ケルトの樹木暦の歴史
ケルトの樹木暦は、18世紀のイギリス人作家でケルト研究家であるロバート・グレイブスが、17世紀の歴史家ロデリック・オフラハティによるオガム文字の研究を参考に、「オガム文字の名前はカレンダーとなっている」と自らのエッセイで提唱した太陰暦です。
それぞれの月に樹木の名称を付けたため、"ケルトの樹木暦"と呼ばれます。
この説はネオドルイド達に広く支持され、ネオドルイドは太陽暦"ホイール・オブ・ザ・イヤー"と太陰暦"ケルトの樹木暦"を組み合わせた暦を"ケルトの暦"としています。

そして、この樹木暦の各月にあてがわれた樹木が、その月の"守護樹木"として神聖視されています。
守護樹木の子供たち
古代ケルトを語る上での樹木の重要性が分かったところで、守護樹木との関係が言及された人物を探してみましょう。
<守護樹木の子供たち>
![]() | ロシネ(ベッヘ) 幼い頃の名前のベッヘ(beithe)が"シラカバ"を意味する名前です。 |
![]() | ローワン そのまま"ナナカマド"を意味する名前です。 |
※ウィロウ大司祭に関しては、英語表記が"wyllow"となっており、彼の名前はヤナギの木を意味する"willow"ではなく、コーンウォールの守護聖人である"Wyllow"から来ていると考えられます。―参考:Wyllow - Wikipedia
フィアードの母木への言及がなされ、スターダストや占星術によってエリンの天文学が深みを増していく中で、ロシネとローワン・・・つまり白樺とナナカマドを名前の由来とするキャラクターが"順番に出てきた"というタイミングを考えると、"樹木暦"を意識させるように仕向けていると考えるのが普通です。
まとめ

古代ケルト地域、それもケルト神話の舞台において樹木は非常に特別な意味を持っています。 これから"樹木暦"に直接言及するかは置いておくとしても、"守護樹木"に関してはまず
タダで出てくることはあり得ないでしょう。
少なくとも、シラカバとナナカマドの名前を持つのは、特殊な背景を持つキャラクターになりました。
守護樹木がどのようにエリンに落とし込まれるのかを検証するためにも、
"樹木暦"をぜひ覚えておいてください。
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