プロローグ
二度のモイトゥラ戦争に敗北し、エリンから追いやられた魔族。
しかし、彼らは不完全とはいえ、破壊兵器グラスギブネンを召喚することができた。
それは、それだけの資源が流通する強力な物流網が生きていた証左と言える。
そして、多くの魔族が物流に従事して生きてきたのだろう。
なぜなら、現在人間と共存する魔族がエリンで活躍している場所は、貿易港ベルファストや各地の交易所である。
その事からも分かる通り、魔族は物流に関して覚えがある者が多いのだ。
魔族は人間より、数も力も勝る種族であった事を忘れてはならない。
魔族の実態を調べる事は、トゥアハ・デ・ダナンを強くする土壌を作る事にも役立つだろう。
魔族とは?
トゥアハ・デ・ダナンと対立している種族
別名:ポウォール
最初の魔族はサキュバスの一族
錬金術の開発者
守護神はキホール
最も強い者を王とする
魔族の勢力圏
トーリー峡谷
魔族の地。バロール出生の場所であり、神聖力と反発する力が確認されている。
あの世
ティルナノイの並行世界。
人間も住んでいたが魔族に滅ぼされ、魔族の世界となった。
影世界
トゥアン・マーク・カリルによって作られた、ティルナノイの並行世界。
人間でも魔族でもない、シャドウウォーカー達が行きつく場所。
魔族はなぜ、別世界からの侵攻にこだわった?
魔族にはトーリー峡谷が勢力圏として残っているが、魔族が海から侵攻した記録は一切ない。
ダンジョンに封印が施された後も、海を越えるより影世界を新しい中継地にしてウルラ大陸への侵攻を考えていた。
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海を忌避していた?
海を忌避した理由を考察する
魔族は海を越えることができなかった
ウルラ大陸(エリン)は、資格のある存在しか辿りつけない。
資格のない存在は、魔法の霧によって辿りつけなくなっている。
→魔族は「選ばれなかった」ため、海を越える事ができなかった可能性がある。
結論:魔族は別世界からしか侵攻できなかった可能性がある
上記から考えられるキホールの采配
最終目標:人間の族滅とミレシアンの返還
一番目の計画
敗北を察した第二次モイトゥラ末期、ルエリの父をクロウクルアフと契約させる
最終目標を達成するため、新しい侵攻計画を立てる。
1, 破壊の女神マハと破壊の神クロウクルアフでティルナノイを浄化
2, ノイタールアラトの錬金術で理想のティルナノイを錬成
→1の下準備として、キホール自身が把握しているドラゴンの契約者を作り出す
必要があった。
第二次モイトゥラで不足した戦力を、モリアンの威光を利用して集める
自らモリアンに扮し、ルエリの父に陥れられたマウラスを引き入れる。
また、ブラックウィザードなどの高位魔族を使い、ダンジョンに来た人間に対してモリアンが人間を裏切ったという疑惑を作り出し、人間に魔族への寝返りを促した。
グラスギブネンを破壊させ、あの世にティルナノイへの別の通路を作る
元々のティルナノイへの通路(別世界の扉)はダンジョンごと封印されているため、メインの侵攻経路としては放棄。
新しい通路を作成する。
→ティルナノイとあの世が融合される流れの中で、あの世は後に影世界として
発見される。
女神マハの降臨とクロウクルアフの召喚
クロウクルアフの召喚には、二通りの方法がある。
1, 石化したドラゴンを呼び起こす
2, ドラゴンと契約して呼び起こす
キホールは1を行うため、女神マハの復活とクロウクルアフの召喚を同時に行える舞台を整えた。
女神マハの降臨
→タルラークによってリア・ファルが破壊され、阻止される。
クロウクルアフの召喚
当初の計画であれば、降臨したマハが石像のクロウクルアフを呼び起こすはずだった。
→マハの降臨が失敗したため、2の方法を使って石像のクロウクルアフを
呼び起こした。
→ミレシアンによって石像が倒され、阻止される。
石像のクロウクルアフと本物のクロウクルアフの関係については以下で考察。
関連記事:大陸誌:別世界の生命体・ドラゴン
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一番目の計画は頓挫する
二番目の計画
クロウクルアフの死亡を契機に、クラウソラスを錬成
ノイタールアラトを開放し、影世界を拡張。
拡張によりティルナノイの空間が次第に崩壊し、将来的に影世界と融合する。
→クラウソラスの一部を錬成成功。
ノイタールアラトの開放が始まり、影世界の拡張を達成する。
ソウルストリームを破壊し、全ミレシアンを返還
ミレシアンの排除にはソウルストリームの破壊が一番効率的だが、同時に一番
リスクを伴う。
そのリスクを、以下で説明する。
この計画は、単純だが大きなリスクを抱えている
・ソウルストリーム
ミレシアンがエリンを訪問する際に、必ず通る場所。
空間の亀裂を管理するために作られた構造物。
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ソウルストリームを破壊すると「異界の神の脅威」が増す
・異界の神
アートンシミニの被造物でない、エリンに属さない神。
異神化を体得して神になったミレシアンも、定義的にはこれに当たる。
神聖力での攻撃でしか対抗する事ができない。
・神聖力
アートンシミニが直接与える特別な力。
異界の神に対抗する手段。
この問題を解決するため、キホールは以下の計画を立てる
アートンシミニがエリンにもたらした宝物であるカリバーンを
異界の神への対抗手段とする
<手順>
・カリバーンを完全なものとする
・カリバーンにソウルストリームを破壊させる
・ソウルストリーム破壊後は、カリバーンに異界の神の対処をさせる
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ドッペルゲンガー(=完全体カリバーン)で
ソウルストリームを破壊する
→ ミレシアンによって阻止される(ここまでくると可哀想である)
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二番目の計画も頓挫する
三番目の計画
ミレシアンの肉体と魂を分離して、肉体を操り兵器とする
ミレシアンに対してグラスギブネンの召喚法を応用し、魔族の兵器とする。
しかし、今やグラスギブネン以上の力を持つミレシアンの肉体と魂を分離するのは容易くないため、以下の環境を整える必要があった。
・キホール自身の力を増幅させる場所
・エリンと異界の境界に近く、分離した魂を返しやすい場所
→ 聖所
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ミレシアンが聖所に辿り着いた時を狙い、
肉体と魂の分離を実行する
→ トルヴィッシュによって阻止される
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三番目の計画も頓挫する
その後・・・
トルヴィッシュは、キホールよりも序列が高い神である。
その神が守護するミレシアンに、手を出すわけにはいかなくなった。
魔族は既に瓦解しており、人間と共存を始めている。
→ キホールが幸せにしようとした魔族は、皮肉なことに魔族が瓦解した事でエリンに
進出し、幸せになっている。
G21以降の消息は不明だが、G25にてベイムネクがキホールについて以下のように
言及する。
次に出会う時は、キホールの考えが少し変わっているかもしれない
エピローグ
魔族は、たった一人にだけ心を捧げる。
それは、魔王であっても変えられない魔族の運命だ。
今後、魔族は世界の流れにどのように関わっていくのだろうか?
いずれ、たった一人の人間を愛し、その先でマビノギに語られるような英雄となる魔族が現れるのかもしれない。
これを読んだあなたは、どのような魔族の未来を想像する?
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