概要
ZERO英雄のリーダーで、自他ともに認める天才ドルイド・マーリン。
約束を守る使命を背負った彼とミレシアンの仲良しエピソードを、今一度紐解いていきましょう。
この先、G18・G21・G24・G25のネタバレ注意
少年時代
生まれつき魔法の才能に恵まれたマーリンは、3歳でサンダーを唱え、11歳で新しい魔法を発明し、成人する前に既知の全ての魔法を修得した。
この天才少年の噂はすぐに広まり、王城はマーリンを正式なドルイドに任命した。
任命されてしばらくは大人しく王城の業務をこなしていたものの、単調な日々に飽きてしまい、イタズラに興じるようになれば格式や礼儀を窮屈に感じ、遂に王城を飛び出して旅に出た。
11歳の頃、マーリンは時間に関する魔法の研究をしていた。
その研究の最中、実験体のウサギが暴れ、魔法陣が暴発してしまう。
マーリンは大昔のムユ砂漠に飛ばされてしまい、自力で元の時間に戻れなくなってしまう。
しかし、言わずもがなマーリンは常に自信に満ち溢れているので、いつか英雄になる自分に相応しい冒険の予感にワクワクしながら砂漠を歩き回る。
砂漠を歩いていると、どこか超越的な雰囲気を漂わせる人物と出会う。
これが、マーリンにとって運命的な出会いだった。
その人物の名は、トルヴィッシュ。
トルヴィッシュは、マーリンの状態を把握し、元の時間に戻る手助けをしてくれた。
元の時間に戻るまでは、人間の寿命よりも長い期間を要した。
それまでずっと守ってくれたトルヴィッシュに対し、マーリンは一つの約束をする。
「未来にある巨大な危機が世の中に差し迫ったら、世の中を救うために自分の力を使う」
マーリンはこの日、エリンを守る英雄の一歩を踏み出した。
ZERO設立時代
元の時間に戻ってきたマーリンは、トルヴィッシュとの約束を守るため、魔法以外にも様々な分野の知識を修得し、多くの人助けをした。
トルヴィッシュの懸念する巨大な危機は、いつ訪れるのか、何が原因で訪れるか分からない。
だったら、英雄らしく困っている人を片っ端から助ければいい!
この超天才ドルイドにかかれば、大体の事は何とかなるのだから。
しかし、単純な人助けならまだしも、主神に仕える騎士団の初代団長が懸念する危機を
自分一人の力で何とかできるとは思っていない。
・・・というのも間違いないのだろうが、マーリンの事だ。
もしかしたら、単純にトルヴィッシュのような"秘密組織のリーダー"という肩書に憧れがあったのかもしれない。
とにかくマーリンは、最初の仲間として特別な力を持つ兄弟弟子と約束を交わした。
どの陣営にも属することなく、共にエリンの危機に立ち向かう事を条件に、マーリンが必ず守ってやるという約束。
それは、破れば代償を支払う事になる、決して破棄する事はできない神との約束・ギアスだった。
こうして、マーリンはエリンを守る秘密組織・ZEROを結成した。
G18 ドラマイリアⅡ
マーリンは突然、師匠・ベイリックシードに呼び出された。
何でも、温泉旅行に行く間、幼いタルラークの面倒を見てやってほしいのだとか。
しかし、マーリンは子供の相手が大の苦手だった。
"大人げ"という言葉は、彼の辞書には存在しないのだ・・・。
意地悪なマーリンが嫌になった幼いタルラークは、ミレシアンに助けを求める。
ドルイドの家にやってきたミレシアンを、マーリンは喜んで迎え入れた。
この時、誰よりも重いギアスを結ぶ相手になるとは思ってもいなかった。
その後、マーリンとミレシアンはトレジャーハンターを仲間にし、三人で冒険をする事になった。
三人で経験した特別な冒険の中で、マーリンは二人をZEROの仲間にしたいと思った。
しかし・・・ミレシアンは陣営云々の前に、そもそもエリンに属していない自由の種族。
死にさえも縛られないミレシアンをZEROのギアスで縛る事は、枷にしかならないような気がした。
マーリンはこの時、トレジャーハンターだけをZEROへ勧誘し、ギアスを結んだ。
チェーンスラッシュ
ある日、ピクニック(という名目で、ある力の調査)をしにティルコネイルを訪れていたマーリンは、偶然ミレシアンと再会する。
喜んだのも束の間、ミレシアンから調査している力を感じ、マーリンは困惑する。
「お前・・・一体何があった?
どうしてお前からイスシの力が感じられる?」
それは、ZEROにかつて存在した仲間・エアレンに巣食っていた使い魔で、エアレンが自分自身を封印する選択を迫られ、マーリンがそれを止められなかった原因。
マーリンにとっては、心底忌まわしい存在だった。
イスシを制御する技術・トゥアリムの存在は分かっているが、エアレンでさえ修得が叶わなかった技術をどう修得するかは、マーリンにも分からなかった。
しかし、幸か不幸か・・・ミレシアンにイスシが宿った事で、思わぬ収穫があった。
イスシを持つ者同士は、イスシを介して会話が可能だと分かったのだ。
ミレシアンの侵蝕を抑えるためにも、エアレンの救出のためにも、二人を会わせる事は絶対に悪い事ではないと直感した。
結果、トゥアリムの修得に成功したミレシアンが、エアレンのイスシを全て受け継ぎ、
全ての問題を解決してくれた。
ミレシアンがいて良かったと、心の底から思った。
G21 守護者の道
新しく開いた異界の門の影響だろうか?最近、確かに何かが起こっている。
この世界に、想像もできない影響を及ぼす事件の兆しが見られるのは確かだが、どうにも実態が掴めない・・・。
ところで、ミレシアンは最近忙しく飛び回っているようだ。
そのおかげで、こうして何が起こっているのか調査する事に集中できるわけだが・・・。
マーリンは、またミレシアンが何かに巻き込まれているのではないかと心配になった。
・・・というのは、多分建前で・・・。
本当は、実態の掴めない不安を聞いてくれる相手が欲しかったのだ。
「オレは今不安なんだ。
その人が言っていた・・・「その時」がどうも近づいている気がして、な」
「お前にも何かあるかもしれないから、くれぐれも気を付けろよ」
この日は、朝まで二人で飲み明かした!
余談だが、二人で朝まで友情を深めた事について、トレジャーハンターはミレシアンにバカが移っていないか本気で心配していた。
その後、アルバン騎士団について調べ、スカアハに本拠地があると突き止めて調査をしていたマーリンは、遂にアヴァロンゲートへの道を見つける。
トルヴィッシュから貰った、神聖力が宿ったイヤリングがあったため、入る事は容易かったが・・・中にいた者達が、部外者の侵入を許さなかった。
カーズウィンとピーネに捕まっていると、更に奥の土地で強力な力の衝突があった。
アルバン騎士団にミレシアンが関わっている事を知っているマーリンが、ミレシアンに何か起きたと想像するのは当然だった。
マーリンはミレシアンを探すため、更に奥地へと侵入した。
そこで、トルヴィッシュに再会するとは・・・トルヴィッシュが、ミレシアンを苦しめるとは、思ってもみなかった。
トルヴィッシュがエリンを守るために導き出した結論は、最も合理的なものだ。
その結論は、マーリンにも理解できた。
しかし、酷く苦しむミレシアンを見て、その結論が"正しい"とはどうしても思えなかった。
それに、「その時」を一人で解決しようとするトルヴィッシュに、単純に腹が立た。
「・・・やめろ、これ以上ミレシアンを苦しませるな!」
マーリンは、トルヴィッシュを止める選択をした。
果たして、その選択は正しかったようだ。
戦意を喪失し、自分の成すべき事をもう一度考え直す時間を欲したトルヴィッシュに、聖所から追い出された。
しかし、少し短絡的な方法を取ろうとしてしまっただけで、悪いヤツじゃないということは十二分に承知していたマーリンは、トルヴィッシュが会いに来るまで待つ事にした。
むしろ気がかりは、アートンシミニがミレシアンをトルヴィッシュに出会わせたと分かった事で、ミレシアンが「その時」に関わる事が明白になった事だった。
マーリンは、自分とトルヴィッシュの詳細な関係をミレシアンに伝える事にした。
「その時」が来たら、自分の力を使うのがトルヴィッシュとの約束。
だから、「その時」にはミレシアンも自分に頼っていいと、ハッキリさせておくために。
マーリンは、ギアスを結んでも枷にしかなれない。
「だから、絶対元気でいてよ!
また、頑張り過ぎないでよ、分かった?」
G22 アポカリプス
G23 テンペスト
ハイミラク信徒の拉致事件を解決するため、ミレシアンを隊長に王国の遠征隊が組織されたらしい。
事件は一先ず解決し、現在は拉致集団の本拠地を捜索しているようだ。
最近は、動物達が集団で移動している事で獣害が起こっている。
変な奴らが詐欺師にしつこく絡んで、勧誘しているそうだし・・・。
おい!秘密組織はZEROで十分だ!!
とにかく、個々の情報は決して無関係とは思えなかった。
巨大な何かが、この世界に迫っている気がした。
そんな中、マーリンの元にトルヴィッシュが現れる。
遂に、トルヴィッシュがマーリンの力を使う時が来たのだ。
マーリンは、トルヴィッシュから主神の遺物を受け取った。
それを罠と共に隠し、それを狙う"猟犬"に無駄足を踏ませればいいらしいが・・・それなら、自分の手元に置いておくのが一番確実だろうに。
「直接出てこれない理由でもあるのか?
何をそんなに丁寧に準備しているんだろう・・・」
遺物を隠し終えたマーリンは、トルヴィッシュからもう一つの頼みを受ける。
「ミレシアンを頼みます」
言われなくても、そのつもりだ。
G24 クライマックス
ミキネス絶壁の向こう側、魔族の地・トーリー峡谷に、トレジャーハンターとエアレンの身分を脅かす存在がいる事が分かった。
仲間を脅かす存在は、このマーリン様が許さないぞ!
三人でトーリー峡谷に向かおうとしていた矢先、空から月石が降ってくるようになった。
この状況に、ザブキエルの月石落下魔法を連想するのはトゥアハデダナンなら当然だった。
緊急度的に・・・月石落下の原因を突き止める方が先だ。
マーリンは、少し遅れて二人に合流する事になった。
二人に追いつくと・・・そこにはミレシアンがいた。
そのうち会うだろうとは思っていたが、今日だとは聞いてないぞ!?
その後、月石落下を阻止した後で知った。
何か起こっているとは思っていたが、表面上は遠征隊が順調に解決しているようだった。
しかし、蓋を開けてみれば・・・ミレシアンが色々なものを犠牲にしているじゃないか!!
かつての魔王に教えられた、よく分からない力を受け入れた?
ミレシアンの血で、疫病の症状が緩和されるから提供した??
あの超ナルシスト神の船まで行って、説得してきた???
一人であれこれ悩んで、何でオレを呼ばなかったんだ!?
アイツに頼まれているのに、もう既に肝心な時に一緒にいられていないが!?
マーリンは一つ認識を改めた。
ギアスは、ミレシアンの枷にしかならないと思っていたが・・・それが正解だったのだ。
ミレシアンには、枷が要る!!!
無理やりにでも繋いでおかないと、本当に取り返しのつかない事になる気がする!!
G25 イクリプス
月石落下儀式の儀式場だったドゥフカの祭壇を調べていると、トレジャーハンターが黒き月の教団の置き土産を見つけた。
以前から、トレジャーハンターが持っている本と似ているが・・・。
頼み込んで一瞬だけ見せてもらえた隙に、その内容をこっそり別紙に転写した事は内緒だ。
その内容には、ミレシアンに関する事が含まれていた。
今まではミレシアンが自分で首を突っ込みに行っていたのが、今度は話が違う。
マーリンは、ミレシアンを直接呼び出した。
何をするかは、伝えなかった。
これは多分・・・かなり、タチの悪いイタズラだ。
「マーリンの名のもとに誓う」
「パララとイウェカ、雨と大地の祝福を受け
約束を守る者の運命を背負いしオレ、マーリンは・・・」
「この先何があっても、ミレシアンを守ると誓う」
これは、ZERO英雄の契約の対価ではない。
ミレシアンに求める義務は、何一つとして無い。
マーリンの生殺与奪の権利を、ただ一方的に握らせる誰よりも重いギアスだ。
お前がしくじれば、こっちもとばっちりを食う!
ちょっとは、命にしがみつく理由になるだろう?
だが、マーリン自身が肝心な時に一緒にいてあげられるか・・・それは別問題だった。
ハイミラクが与えた"夜"の、本当の最後の戦いでミレシアンを一人にしてしまった。
ギアスのおかげで、ミレシアンに何かあったら分かるようになったというのに、戦場まで行くことができずに終わってしまったのだ。
「一緒にいてやれなかったオレ自身が、あまりにもバカみたいで・・・はあ・・・」
マーリンは今度こそは英雄らしく現れて、颯爽と助けてやる事を目標にした。
グレンベルナ
ある日、大きな気配が突然消えた。
消えたのは、冬の神・カリアフの気配だ。
何事かと思い、慌てて北に向かったマーリン。
気配が消えた場所を特定するために情報収集をすると、どうもカリアフの本来の住処であるムーンハイド渓谷ではなく、スリアブミッシの方に消えているようだった。
スリアブミッシを登っていると、見慣れた姿と見慣れない姿を見つけた。
予想はしていたが、今回も巻き込まれたらしい。
おかしな寒波をもたらしている存在の攻撃から、ミレシアンとその仲間を守る。
「危機に瀕する前に、このオレが解決したぞ!」
ところで、ミレシアンはまたどうにも変なヤツを連れているようだ。
さて、オレは状況を大体把握しているぞ!
この二人に何から説明してやろうか?
約束を守る運命を背負う者・マーリンには、まだまだ謎が多い。
「パララとイウェカ、雨と大地の祝福」という呪文。
これは、精霊の成り立ちに関わる内容で・・・。
ハイミラクが呟いていた"精霊の子"という呼び名で、精霊と深い関係がある事をミレシアンは察している。
しかし、本人が自身の生い立ちを口にしないなら、それでもいいだろう。
大事なのは、マーリンがミレシアンの力となり、知恵となり、枷となる、最高の友達だという事だ。
だから次に会う時、お互いに笑顔でいられるように、ミレシアンも約束を守ろう。
よく食べて、よく寝て、元気で、仕事はあまり無理しないように!
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